症例
Photobacterium damselaeによる右上肢壊死性筋膜炎の1例
西原 春奈
1
,
井上 久仁子
,
市原 麻子
,
沼田 亨祐
,
牧野 雄成
1国保水俣市立総合医療センター 皮膚科
キーワード:
Cefotaxime
,
IgG
,
Minocycline
,
Photobacterium
,
高圧酸素療法
,
肢切断術
,
デブリードマン
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
皮膚移植
,
皮膚疾患-手部
,
グラム陰性細菌感染症
,
筋膜炎-壊死性
,
大量薬物療法
,
Meropenem
,
細菌培養
,
上腕
,
静脈内注入
Keyword:
Administration, Oral
,
Arm
,
Amputation
,
Cefotaxime
,
Drug Therapy, Combination
,
Debridement
,
Hand Dermatoses
,
Hyperbaric Oxygenation
,
Infusions, Intravenous
,
Immunoglobulin G
,
Minocycline
,
Photobacterium
,
Skin Transplantation
,
Gram-Negative Bacterial Infections
,
Fasciitis, Necrotizing
,
Meropenem
pp.440-444
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208991
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52歳男。就寝中に右手背から前腕にかけて急速に発赤、腫脹、疼痛が出現し、その後右手指まで発赤、腫脹が拡大した。症状出現8時間後に近医を受診し、虫刺咬傷などを疑われ治療を受けるも改善せず、右中指、小指の黒色壊死が出現し、他院を経て症状出現36時間後に当センター紹介となった。搬送時の臨床像および臨床経過、バイタルサインより、壊死性筋膜炎、敗血症と診断し、抗菌薬投与、高圧酸素療法、ヒト免疫グロブリン大量静注療法を開始した。治療により全身状態と局所の炎症所見は改善したが、右中指、小指の壊死に対して切断術と手背皮膚切開部の植皮術を要した。手背切開部の組織培養、膿汁培養からPhotobacterium damselaeが検出され、同菌による壊死性筋膜炎と最終診断した。術後の経過は良好で、入院45日目に退院となった。本症例の職業は漁師であり、海水曝露による外的な菌の侵入が壊死性筋膜炎の発症原因と考えられた。
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