特集 細菌感染症
臀部粉瘤より生じたガス壊疽の1例
白鳥 隆宏
1
,
木下 幸恵
,
加藤 晴久
1星ヶ丘医療センター 皮膚科
キーワード:
Clindamycin
,
デブリードマン
,
多剤併用療法
,
X線CT
,
臀部
,
表皮嚢胞
,
Meropenem
,
Sultamicillin
,
緊急手術
,
ガス壊疽
,
静脈内注入
Keyword:
Buttocks
,
Clindamycin
,
Drug Therapy, Combination
,
Debridement
,
Epidermal Cyst
,
Infusions, Intravenous
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Sultamicillin
,
Meropenem
pp.1818-1819
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081146
- 有料閲覧
- 文献概要
67歳男。初診3日前より発熱、全身倦怠感、食欲不振、右臀部疼痛、発赤を認め、その後も右臀部の疼痛が増悪した。右臀部皮下腫瘤の受診歴と糖尿病の既往歴があり、受診時には右臀部に中心部に膿疱を伴う鶏卵大の腫脹と高度の炎症反応を認め、感染性粉瘤からの蜂窩織炎や壊死性筋膜炎が疑われたが、単純CTにて会陰部から右傍前立腺、直腸周囲に大量のガス像を認め、ガス壊疽と診断した。抗菌薬投与、切開排膿とデブリードマンを行い、術後に敗血症性ショックを来たして薬物による血圧管理を要したが、炎症反応の低下に伴って創部は縮小した。自験例は粉瘤の感染からのガス壊疽であり、起炎菌の同定は困難であったが、臨床経過、糖尿病の既往、術中所見より非クロストリジウム性ガス壊疽が疑われた。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.