特集 薬疹・薬物障害
カルボシステインによる固定薬疹の1例
大原 香子
1
,
飯田 仁
,
初鹿 隼人
1大原医院
キーワード:
Carbocysteine
,
パッチテスト
,
経口投与
,
経皮投与
,
薬疹
,
Betamethasone Butyrate Propionate
,
薬剤リンパ球刺激試験
,
Thiodiacetic Acid
Keyword:
Administration, Oral
,
Administration, Cutaneous
,
Carbocysteine
,
Drug Eruptions
,
Patch Tests
,
Thiodiacetic Acid
pp.21-25
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115813
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23歳女。左胸部と左前腕の色素沈着を伴う紅斑を主訴とした。約1ヵ月の間に、感冒にて近医を受診し、処方薬内服2日目に主訴を認めるというエピソードを3回繰り返し、薬剤の関与が疑われた。3回の内服歴で唯一共通していたカルボシステインによる固定薬疹が疑われ、皮疹はステロイド外用により治癒した。治癒後、カルボシステインとその代謝産物であるチオジグリコール酸(TDA)について薬剤リンパ球刺激試験(DLST)とパッチテスト(PT)を行った結果、DLSTは3回分の処方薬すべてに陰性であったが、PTではTDAのみ皮疹部、無疹部ともに陽性であり、カルボシステインの代謝産物TDAによる固定薬疹と診断した。
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