特集 薬疹・薬物障害
当初薬剤性過敏症症候群が疑われたシアナミドによる薬疹の1例
小野 蘭
1
,
宇野 裕和
,
渡辺 秀晃
,
末木 博彦
1昭和大学 皮膚科学教室
キーワード:
Cyanamide
,
Prednisolone
,
鑑別診断
,
パッチテスト
,
経口投与
,
薬疹
,
薬剤性過敏症症候群
,
薬剤リンパ球刺激試験
Keyword:
Administration, Oral
,
Drug Eruptions
,
Diagnosis, Differential
,
Patch Tests
,
Prednisolone
,
Drug Hypersensitivity Syndrome
,
Cyanamide
pp.42-43
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115817
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55歳女。全身の紅斑、そう痒感を主訴とした。シアナミド内服開始13日後より主訴に続いて36.8~37.5℃の微熱が出現し、シアナミドによる薬疹が疑われたため、シアナミドを中止してオロパタジン内服・ステロイド外用を開始するも症状は軽快しなかった。紹介受診時には躯幹・四肢に小指頭大までの暗紅色調紅斑がほぼびまん性にみられ、両前腕には漿液性丘疹、小水疱が集簇しており、臨床検査所見では好酸球増多、肝機能障害を認めた。当初、シアナミドによる薬剤性過敏症症候群(DIHS)が疑われたが、プレドニゾロン(10mg/日)内服により10日ほどで皮疹は軽快し、末梢血好酸球は正常化した。自験例は臨床症状、検査所見や治療経過よりDIHSは否定的であり、シアナミドの薬剤リンパ球刺激試験、パッチテストはともに陽性を示したことから、シアナミドによる薬疹と考えられた。
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