症例
成人に発症した腹壁遠心性脂肪萎縮症の1例
高橋 宏征
1
,
柳澤 健二
,
加賀谷 真起子
,
高橋 博之
,
後藤田 裕子
1JA北海道厚生連札幌厚生病院 皮膚科
キーワード:
Prednisolone
,
リポジストロフィー
,
X線CT
,
経口投与
,
免疫組織化学
,
腹壁
Keyword:
Administration, Oral
,
Immunohistochemistry
,
Lipodystrophy
,
Prednisolone
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Abdominal Wall
pp.1865-1868
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081156
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31歳女。右下腹部、胸部から臀部の皮膚の陥凹病変を主訴とした。2年程前から右下腹部に軽度の違和感を伴う皮膚の陥凹を自覚し、無治療で経過観察していたが、病変が拡大した。右下腹部から側腹部・鼠径部・臀部にかけて比較的境界明瞭な皮膚の陥凹局面と淡紅色斑を認めたが、臨床検査所見に異常はなく、造影CTでは右下腹部から腰臀部にかけて皮下脂肪組織の萎縮と造影密度の上昇を認めた。病理組織学的所見では皮下脂肪組織の血管周囲性にリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤や脂肪細胞の融解・変性像を認め、特徴的な臨床所見と経過・画像所見および病理組織学的所見より腹壁遠心性脂肪萎縮症の成人例と診断した。プレドニゾロン内服により病変の違和感や淡紅色斑は消失したが、頭痛などの副作用により十分な効果の評価はできず、今後レプチン投与の検討が必要と思われた。
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