特集 陥凹する皮膚疾患
臨床例
広範な皮下脂肪萎縮と筋膜炎様変化を認めたcGVHD
立花 隆夫
1
,
小野 さち子
,
赤木 有沙
,
加畑 大輔
,
中島 利栄子
,
高瀬 早和子
,
太田 深雪
,
鬼頭 里佳
1大阪赤十字病院 皮膚科
キーワード:
移植片対宿主病
,
強皮症-限局性
,
筋膜炎
,
リポジストロフィー
,
鑑別診断
,
生検
,
免疫抑制剤
Keyword:
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Fasciitis
,
Graft vs Host Disease
,
Immunosuppressive Agents
,
Lipodystrophy
,
Scleroderma, Localized
pp.629-632
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014295760
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<症例のポイント>血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AITL)stage IVAの患者であり、血液内科で化学療法後に自家末梢血幹細胞移植(auto-PBSCT)、また、兄よりHLA2座不一致同種末梢血幹細胞移植(hetero to homo allo-PBSCT)を施行した。生着してAITLはCR、また明らかなaGVHDは認めなかったものの、cGVHDの徴候がみられるようになったため、免疫抑制薬を増量した。しかし、関節痛、可動域の制限、歩行障害、および体幹・四肢の皮膚硬化がみられるようになった。cGVHDの汎発性強皮症様変化ではなく、cGVHDによる筋膜炎様変化と診断した。また、それによる皮下脂肪萎縮と同部の筋膜肥厚による関節の可動域制限を生じたものと考えた。
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