発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009271668
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骨症状が出る前の潜在期に発見された膜形成性脂質異栄養症(ML)の34歳女性症例について検討した。捻挫の際の単純X線撮影で両側距骨の異常陰影を指摘された。CTで距骨に柵状の隔壁構造を有する嚢胞性病変が描出された。単純X線では、距骨の他、指節骨、有頭骨、脛骨近位端および膝蓋骨に骨透亮像を認めた。脳のCT・MRIは、被殻の石灰化と前頭葉優位な大脳の萎縮を示した。高次脳機能としては前頭葉症状と健忘を認め、知能低下もみられた。距骨の生検では骨内脂肪腫と病理診断されたが、アザン染色で脂肪変性と膜嚢胞性変化を認め、最終的にMLと診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009