発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163861
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26歳男.左下腹部痛,食欲低下,体重減少を主訴とした.腹部CT所見では左腹部に径10cmの腫瘤影を認め,腹直筋,腹横筋を中心に腹壁の著明な肥厚を認めた.以上より下行結腸腹壁穿孔による腹膜炎を疑い緊急手術を行った.手術所見では腫瘤形成のみられたS状結腸切除を行い,一部腫瘤の達した腹直筋も合併切除して肉眼的に大腸癌腹壁穿孔と判断し,更にリンパ節郭清を施行した.病理組織学的に穿孔部位は粘膜下層を中心に広汎な壊死を伴い,高円柱状の細胞が腺管を形成する高分化腺癌を認め,大腸癌pT3N0M0,stage IIと診断された.術後経過良好で現在経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2003