発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014244257
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48歳女。前胸部痛と40℃の発熱を生じ受診した。心電図上、II、III、aVF、V2-6でSTの上昇を認め、心膜炎を疑った。急性肝障害(ショック肝)と急性心膜炎と診断した。当初、ウイルス性心膜炎と診断し、非ステロイド性抗炎症薬で経過をみていたが、徐々に左胸水が増加した。入院後9日目にふたたび40℃の発熱を生じた、WBCが増加し、収縮期血圧が低下した。細菌培養検査でS.pyogenesを検出し、化膿性心膜炎の診断で抗生物質を投与した。ドレナージ後、血行動態は安定し、排液は速やかに減少した。発症後21日目に胸部X線で左胸水の増量、エコー検査で腹水貯留を認めた。収縮性心膜炎を疑い右心カテーテル検査を実施した。収縮性心膜炎と診断し、心膜剥皮術を施行した。術後、循環動態は悪化し、右心不全と診断した。持続的血液濾過法で除水した。徐々に循環動態は安定し、術後36日目に退院した。
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