特集 細菌感染症
中指に生じたA群β溶血性連鎖球菌による壊死性軟部組織感染症の1例
宇都宮 夏子
1
,
飯野 志郎
,
馬場 夏希
,
井戸 英樹
,
徳力 篤
,
長谷川 稔
1福井大学 感覚運動医学講座皮膚科学
キーワード:
Streptococcus pyogenes
,
壊死
,
肢切断術
,
手指
,
X線CT
,
Streptococcus Infection
,
軟部組織感染症
,
細菌培養
,
Tazobactam-Piperacillin
Keyword:
Amputation
,
Fingers
,
Necrosis
,
Streptococcal Infections
,
Streptococcus pyogenes
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Soft Tissue Infections
,
Piperacillin, Tazobactam Drug Combination
pp.1809-1812
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081144
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57歳女。右中指の発赤・腫脹、排膿を主訴とした。3日前に仕事で軽微な外傷を受傷した後に主訴が出現し、抗菌薬を投与されるも軽快せず、細菌培養では創部からA群β溶血性連鎖球菌が検出された。経過と臨床所見から壊死性軟部組織感染症を考えて切開したところ、切開創からの排膿や脂肪組織壊死を認め、laboratory risk indicator for necrotizing fasciitis scoreは2点とlow riskであったが、総合的に壊死性軟部組織感染症と診断した。抗菌薬投与と創洗浄により症状は軽快したが、経過中に右中指の一部が完全に黒色壊死となり切断術を行った。
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