症例
D-ペニシラミン投与中のWilson病患者に生じた蛇行性穿孔性弾力線維症の長期間観察例
池田 彩子
1
,
福田 英嗣
,
高橋 美咲
,
横内 幸
,
向井 秀樹
1東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科学教室
キーワード:
Penicillamine
,
Wilson病
,
頸部
,
電子顕微鏡検査法
,
経口投与
,
Zinc Acetate
,
皮膚鏡検査
,
待機療法
,
蛇行性穿孔性弾性線維症
Keyword:
Administration, Oral
,
Hepatolenticular Degeneration
,
Microscopy, Electron
,
Neck
,
Penicillamine
,
Zinc Acetate
,
Dermoscopy
,
Watchful Waiting
,
Elastosis Perforans Serpiginosa
pp.1423-1426
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016373717
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28歳女。頸部の環状局面を主訴とした。Wilson病の診断で約10年間D-ペニシラミンを内服していたが、約1年前よりざ瘡様皮疹が出現し、遠心性に拡大傾向を示した。前頸部に辺縁が堤防状に隆起した鱗屑を伴う環状紅褐色局面(8mm大と11mm大)があり、後頸部には4mm大の鱗屑を伴う褐色調小丘疹を認めた。病理組織所見では変性した弾力線維の経表皮排出像を認め、電顕所見では弾力線維の肥厚と不規則な鋸歯状突起が観察された。D-ペニシラミンによる蛇行性穿孔性弾力線維症と診断してD-ペニシラミンから酢酸亜鉛水和物に変更したところ、4年8ヵ月経過時点で頸部の環状紅色局面は一部に消退を認めるものの徐々に拡大し、新生も認められた。
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