特集 網状を呈する皮膚疾患
臨床例
Wilson病患者に生じた蛇行性穿孔性弾力線維症
飯田 沙織
1
,
竹中 秀也
,
宮下 文
,
藤井 ちひろ
,
細川 洋平
,
真鍋 俊明
1京都府立医科大学 大学院医学研究科皮膚科学
キーワード:
Penicillamine
,
Wilson病
,
血液化学分析
,
鑑別診断
,
生検
,
染色
,
銅
,
Victoria Blue
,
蛇行性穿孔性弾性線維症
Keyword:
Blood Chemical Analysis
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Copper
,
Hepatolenticular Degeneration
,
Penicillamine
,
Staining and Labeling
,
Victoria Blue
,
Elastosis Perforans Serpiginosa
pp.227-230
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014143308
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<症例のポイント>Wilson病は、先天性銅代謝異常により、組織へ銅が沈着することによって生じる病態である。胆汁中への銅の輸送や、セルロプラスミンへの銅の輸送が障害されており、まず肝細胞内に沈着し障害をおこす。今回われわれは、27年間D-ペニシラミンを内服したWilson病患者に生じた蛇行性穿孔性弾力線維症を経験した。本邦においては15例目である。本邦におけるWilson病の治療の第一選択は、銅キレート剤であるD-ペニシラミンであったが、近年副作用の少ない酢酸亜鉛水和物や塩酸トリエンチンが使用されるようになってきた。これらの代替薬の使用により、本症の症状改善につながる可能性があると考えた。
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