特集 石灰化・骨化をきたす皮膚病
臨床例
弾性線維性仮性黄色腫
大野 真梨恵
1
,
佐藤 愛
,
山田 和昭
,
寺田 久雄
,
瀬在 由美子
,
千葉 由幸
1国立病院機構災害医療センター 皮膚科
キーワード:
黄色腫症
,
仮性黄色腫-弾力線維性
,
鑑別診断
,
生検
,
待機療法
,
蛇行性穿孔性弾性線維症
Keyword:
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Pseudoxanthoma Elasticum
,
Xanthomatosis
,
Watchful Waiting
,
Elastosis Perforans Serpiginosa
pp.691-694
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016320842
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<症例のポイント>弾性線維性仮性黄色腫(pseudoxanthoma elasticum、以下、PXE)は、弾性線維の石灰化、変性により弾性線維が豊富な組織(皮膚、眼、心血管など)に進行性に障害が生じる遺伝性疾患である。PXEは特徴的な皮膚所見を呈することが多く、集簇性黄白色丘疹が頸部、腋窩、鼠径部などの間擦部位に好発し、加齢とともに徐々に拡大癒合して局面を形成する。自験例では、両腋窩、頸部、臍周囲、両鼠径部に黄色調丘疹の集簇を認めた。PXEを疑い皮膚生検を施行、病理組織学的所見でもPXEに矛盾しない所見であった。また全身検索では眼底検査で網膜色素線条を認めた。以上、病歴・現症・病理組織学的所見より自験例をPXEと診断した。今回われわれは臨床的に特徴的な黄色調丘疹を認め、眼底の網膜色素線条を伴ったPXEの1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
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