Japanese
English
症例報告
D-ペニシラミンによる蛇行性穿孔性弾力線維症の1例
A case of elastosis perforans serpiginosa due to long-term D-penicillamine therapy for Wilson's disease
峰咲 幸哲
1
,
横井 清
1
,
新村 眞人
1
,
浦野 和民
2
Yoshinori MINESAKI
1
,
Kiyoshi YOKOI
1
,
Michihito NIIMURA
1
,
Kazutami URANO
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2浦野皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
2Urano Dermatological Clinic
キーワード:
D-ペニシラミン
,
蛇行性穿孔性弾力線維症
,
elastosis perforans serpiginosa
,
Wilson病
Keyword:
D-ペニシラミン
,
蛇行性穿孔性弾力線維症
,
elastosis perforans serpiginosa
,
Wilson病
pp.444-447
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902907
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Wilson病にてD-ペニシラミンを内服中の30歳,女性に発症した蛇行性穿孔性弾力線維症の1例を報告した.項頸部に米粒大の角化性紅色丘疹が蛇行状に配列し,組織学的に好塩基性変性物質の経表皮的排出像と鋸歯状に変性した弾力線維の増生を認めた.D-ペニシラミンによる蛇行性穿孔性弾力線維症は比較的まれであり,これまでに海外では18例,本邦では6例の報告がある.発症機序は,D-ペニシラミンがエラスチンの架橋結合を阻害することによる弾力線維の形成障害と推測されている.現在までのところ確実な治療法はなく,基礎疾患のほとんどがWilson病であることからD-ペニシラミンの投与中止も難しく,代替薬もないのが現状である.
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