多種類の化学療法を試みたアポクリン汗腺癌の2例

症例1は61歳男で、右腋窩と上腕の腫瘤を主訴とした。画像所見、病理組織所見より腋窩原発アポクリン汗腺癌の腋窩リンパ節･肺転移、皮膚転移と診断された。症例2は61歳男で、近医にて右腋窩の結節の切除を受け、アポクリン汗腺癌と診断された。紹介受診時の画像評価では右腋窩･大動脈下･肺門リンパ節転移、両側肺転移が疑われた。自験2例はともに局所放射線療法と化学療法を併用し、症例1はlow-dose FP療法(フルオロウラシル、シスプラチン)により一時partial responseが得られたが、症例2はlow-dose FP療法、FEC療法(フルオロウラシル、エピルビシン塩酸塩、シクロホスファミド水和物)とも十分な臨床効果は得られなかった。