発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175468
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症例1:40歳男。呼吸困難を主訴とし、胸部X線で右気胸と診断された。胸腔ドレーン挿入後のCTで右下葉S6に胸膜陥入を伴った辺縁不整な空洞結節影を認め、気胸を合併した肺癌を疑い、手術を施行した。胸腔内に腫瘍が穿破しており、術中迅速病理で大細胞癌と診断され、右下葉切除および縦隔リンパ節郭清を施行した。切除標本では腫瘍が胸膜まで浸潤し、リンパ節への転移も認め、病理病期はIIA期であった。術後補助化学療法を行ったが早期に再発し、14ヵ月後に死亡した。症例2:47歳男。呼吸困難を主訴とし、胸部X線で右気胸と診断された。気漏が持続し、CTで右肺尖部ブラ近傍に胸膜陥入を伴った結節影が認められた。手術を施行し、腫瘍とブラの位置関係より気胸発症は偶発性と考えられた。術中迅速病理で扁平上皮癌と診断され、右上葉切除および縦隔リンパ節郭清を施行した。リンパ節への転移はなく、病理病期はIA期であった。術後2年経過し再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012