臨床経験
胸壁原発の脱分化型軟骨肉腫
斉藤 元吉
1
,
米嶋 康臣
,
中村 俊彦
,
北川 大
,
金城 直
,
大垣 吉平
,
前原 伸一郎
,
寺本 成一
,
足立 英輔
,
池田 陽一
,
峰 真理
1公立学校共済組合九州中央病院 呼吸器外科
キーワード:
胸部X線診断
,
胸部腫瘍
,
胸膜腫瘍
,
腫瘍再発
,
腫瘍侵入性
,
腫瘍播種
,
軟骨肉腫
,
肺腫瘍
,
致死的転帰
,
胸壁
,
胸部CT
Keyword:
Chondrosarcoma
,
Lung Neoplasms
,
Neoplasm Seeding
,
Neoplasm Invasiveness
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Pleural Neoplasms
,
Thoracic Neoplasms
,
Radiography, Thoracic
,
Fatal Outcome
,
Thoracic Wall
pp.764-767
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016323941
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79歳男。右前胸部痛を主訴に近医受診し、胸部X線で右下肺野に大きな結節影が認められ、精査目的で当科に紹介された。胸部CTで右前胸壁に第4肋骨の破壊像を伴う径7cm大の腫瘍を認めた。FDG-PETで腫瘍部に一致してFDGの異常集積を認めた。CTガイド下生検の所見から間葉系由来の悪性腫瘍が疑われたが、確定診断には至らなかった。痛みを伴う悪性腫瘍で確定診断がつかなかったため、診断・治療を兼ねて手術を施行し、切除標本の病理組織所見から胸壁原発の脱分化型軟骨肉腫と診断した。術後に呼吸不全を呈し、人工呼吸管理を要したが、術後8日で人工呼吸から離脱できた。その後のリハビリテーションで徐々に回復し、術後63日目に自宅退院となったが、術後108日目にCTで胸腔内再発を認め、160日目に死亡した。
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