StageIV大腸癌に対する外科的治療戦略
StageIV大腸癌根治的切除例の予後
金光 幸秀
1
,
志田 大
,
塚本 俊輔
,
落合 大樹
1国立がん研究センター 大腸外科
キーワード:
肝切除
,
肝臓腫瘍
,
腫瘍播種
,
大腸腫瘍
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
腹膜腫瘍
,
診療ガイドライン
,
大腸切除
,
腹膜切除
Keyword:
Hepatectomy
,
Neoplasm Seeding
,
Liver Neoplasms
,
Lung Neoplasms
,
Peritoneal Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Colorectal Neoplasms
,
Practice Guidelines as Topic
pp.5-12
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015060532
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大腸癌肝転移に対するもっとも効果の高い治療は外科的切除であり,治癒切除ができれば35~58%の5年生存率が期待できる.大腸癌研究会プロジェクト研究で行われた多施設集計では,肺転移に対する肺切除例の5年生存率は46.7%,累積5年無再発生存率は33.7%であり,非切除例の5年生存率は3.9%であった.肝・肺同時性転移例に関する外科的切除の報告は少ないが,根治切除後の5年生存率は20%程度認められる.また腹膜播種に対しては,同時切除による予後の改善や長期生存例が報告されている.このように,StageIV大腸癌の肝転移,肺転移および限局性腹膜播種(P1,P2)は,切除が可能ならば積極的な切除により予後延長が期待される.
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