症例
Mycobacterium abscessusによる両下腿の皮膚非結核性抗酸菌症の1例
馬場 夏希
1
,
高嶋 渉
,
宮永 美紀
,
徳力 篤
,
新家 裕朗
,
池ヶ谷 諭史
,
岩崎 博道
,
光戸 勇
,
長谷川 稔
1福井大学 医学部医学科感覚運動医学講座皮膚科学
キーワード:
Amikacin
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
非結核性抗酸菌症
,
皮膚疾患-下肢
,
Clarithromycin
,
皮膚疾患-細菌性
,
Moxifloxacin
,
細菌培養
,
静脈内注入
,
Mycobacterium abscessus
Keyword:
Administration, Oral
,
Amikacin
,
Drug Therapy, Combination
,
Infusions, Intravenous
,
Leg Dermatoses
,
Mycobacterium Infections, Nontuberculous
,
Clarithromycin
,
Skin Diseases, Bacterial
,
Moxifloxacin
pp.1325-1329
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例はタイ在住の53歳女性で、4ヵ月前より両下腿に数個の皮疹が出現した。タイの病院にて膿培養でMycobacterium abscessusが検出され、抗菌薬の内服治療が行われた。しかし、6ヵ月間の治療が必要といわれ、日本に帰国し当科を紹介受診した。両下腿に径5cmまでの表面に発赤を伴う数個の膿瘍を認めた。皮膚生検で炎症細胞浸潤とLanghans型巨細胞を伴う類上皮細胞性肉芽腫を認め、一部に多数の好中球浸潤がみられた。タイの病院で抗菌薬を投与された影響もあるのか、組織培養で菌は検出されなかった。タイの病院の培養結果や病理所見から、Mycobacterium abscessusによる皮膚非結核性抗酸菌症と診断した。タイの病院の膿培養の抗菌薬感受性結果に基づきアミカシンの点滴とクラリスロマイシンの内服を開始した。1ヵ月後に膿瘍が縮小し、モキシフロキサシンとクラリスロマイシンの内服に変更した。治療開始から6ヵ月後に治癒と判断した。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.