症例
皮膚Mycobacterium abscessus感染症の1例
堀田 亜紗
1
,
大川 智子
,
石田 修一
,
山口 由衣
,
中永 和枝
,
石井 則久
,
相原 道子
1横浜市立大学附属病院 皮膚科学教室
キーワード:
Amikacin
,
Cefmetazole
,
鼠径部
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
非結核性抗酸菌症
,
皮膚疾患-下肢
,
核酸ハイブリダイゼーション
,
Clarithromycin
,
皮膚疾患-細菌性
,
皮膚外科
,
Mycobacterium abscessus
Keyword:
Administration, Oral
,
Amikacin
,
Drug Therapy, Combination
,
Groin
,
Leg Dermatoses
,
Mycobacterium Infections, Nontuberculous
,
Nucleic Acid Hybridization
,
Cefmetazole
,
Clarithromycin
,
Skin Diseases, Bacterial
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.445-450
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208992
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
63歳男。3ヵ月前より右大腿部に紅斑を伴う皮下結節が出現し、前医にて細菌感染を疑われ、抗菌薬投与を受けるも改善しなかった。1ヵ月前には同部位が潰瘍・膿瘍化し、右鼠径にも皮下結節が出現したため、精査加療目的で当科初診となった。初診時、右大腿部外側に紅斑を伴う硬結があり、中心に13mm大の潰瘍を伴っていた。また、右鼠径部周辺に小指頭大、弾性硬の可動性に乏しい紅色結節を認めた。当初、細菌感染症や真菌感染を考え、MINO内服やスルファジアジン銀クリーム外用を開始するも改善せず、初診20日目に入院となった。入院後は穿刺排膿を施行し、皮膚Mycobacterium abscessus感染症と診断された。MINOに加え、CAMの内服投与を開始し、右大腿部感染巣切除術および右鼠径皮下結節切除術を施行した。術後経過良好であったが、切除2週間後に右大腿創周囲に感染の再燃を認め、CAMの増量とともにアミカシン・セフメタゾールを併用し、感染巣切除術を再度行った。術後3年7ヵ月の現在、再発はみられない。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.