症例
大腿切断で救命し得た免疫抑制患者のStreptococcus pyogenesによる劇症型溶連菌感染症を引き起こした壊死性筋膜炎の1例
臼居 駿也
1
,
遠藤 雄一郎
,
加来 洋
,
藤澤 章弘
,
椛島 健治
1京都大学 大学院医学研究科皮膚科
キーワード:
Streptococcus pyogenes
,
易感染性宿主
,
肢切断術
,
ショック-敗血症性
,
デブリードマン
,
皮膚疾患-下肢
,
筋膜炎-壊死性
,
劇症型溶血性連鎖球菌感染症
,
細菌培養
,
血液培養
Keyword:
Blood Culture
,
Amputation
,
Debridement
,
Leg Dermatoses
,
Streptococcus pyogenes
,
Shock, Septic
,
Immunocompromised Host
,
Fasciitis, Necrotizing
pp.1319-1324
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355261
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40歳男。右下肢の疼痛と発赤を主訴とした。生体腎移植後で免疫抑制剤を内服中であった。前医で右下肢蜂窩織炎の診断で抗菌薬が投与されたが、全身管理を含めた治療が必要となり、症状の出現から約20時間後に当科へ入院となった。第2病日(発症約30時間後)に敗血症性ショックとなり、右大腿遠位部に紫斑と水疱形成が出現した。壊死性筋膜炎に伴う敗血症性ショックと診断し、免疫グロブリン製剤の投与と皮膚デブリードマンを追加した。血液と組織の培養からStreptococcus pyogenesが同定された。以上より、Streptococcus pyogenesによる重症の壊死性筋膜炎およびStreptococcal toxic shock syndromeと診断した。しかし、皮膚から筋膜にかけての壊死が進行し、感染コントロールのため整形外科で右大腿切断が施行された。その後も残存壊死に対しデブリードマンを数回施行した。第29病日に陰圧閉鎖療法を導入し植皮術で閉創した。
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