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Mycobacterium marinum感染症の1例
上原 沙織
1
,
米田 真梨恵
,
柴崎 嘉子
,
千葉 由幸
1国立病院機構災害医療センター 皮膚科
キーワード:
温熱療法
,
経口投与
,
非結核性抗酸菌症
,
皮膚疾患-手部
,
Clarithromycin
,
皮膚疾患-細菌性
,
Mycobacterium marinum
,
細菌培養
Keyword:
Administration, Oral
,
Hand Dermatoses
,
Hyperthermia, Induced
,
Mycobacterium Infections, Nontuberculous
,
Clarithromycin
,
Skin Diseases, Bacterial
,
Mycobacterium marinum
pp.1200-1201
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016319274
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80歳男。生活歴として熱帯魚を飼育していた。当科受診の約1ヵ月前、右手背に丘疹が出現し、徐々に紅色局面となり疼痛を伴うようになった。近医受診し、ホスホマイシンとミノサイクリン(MINO)を投与されたが軽快しない当科に紹介された。右手背と示指MP関節中枢型に35×30mm大の紅斑を認め、紅斑の中央は径7mm大の結節となっていた。結節部の生検で真皮のほぼ全層にかけて中心部に壊死巣を伴う結節状の細胞浸潤を認めた。組織片を25℃・37℃の条件下で1%小川培地培養したところ、4週間後に25℃でのみ光発色性を有する黄白色のコロニー形成が認められ、DNA-DNA hybridization法でM.marinumと同定された。前医でのMINO 100mg/日投与により軽度改善傾向がみられていたことからMINO投与を継続し、クラリスロマイシン800mg/日の内服と使い捨てカイロによる温熱療法を開始した。結果、9週間後には萎縮性瘢痕となり、12週間後に治療を終了し、終了後4ヵ月の現在まで再燃は認めていない。
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