特集 壊死性軟部組織感染症-私はこうして治療した-
迅速診断キットにて早期診断を行ったA群溶連菌による壊死性筋膜炎の2例
津下 到
1
,
米谷 あずみ
1京都大学 大学院医学研究科形成外科学
キーワード:
Streptococcus pyogenes
,
下肢
,
胸部
,
診断用試薬キット
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
連鎖球菌感染症
,
筋膜炎-壊死性
,
早期診断
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Streptococcal Infections
,
Streptococcus pyogenes
,
Therapeutic Irrigation
,
Thorax
,
Reagent Kits, Diagnostic
,
Debridement
,
Fasciitis, Necrotizing
,
Early Diagnosis
,
Lower Extremity
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.975-982
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020373436
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症例1は73歳男性で、8日前にバイク走行中に転倒して右胸部を軽く打撲し、外傷に伴う蜂窩織炎の疑いで入院したが、受診から12時間後にショックに至った。症例2は61歳女性で、糖尿病、心不全などの既往を有する血液透析患者で、4日前にテレビのリモコンが右足背に当たり、同部位に血腫や皮膚壊死を伴う水疱形成を認めたが、その後右下肢全体の疼痛と歩行困難をきたし、糖尿病性壊疽の増悪及び蜂窩織炎が疑われた。2例とも腫脹部や皮膚壊死部の小切開創部にA群溶血性連鎖球菌(溶連菌)迅速診断キットを用いて診断を試みたところ、明瞭な陽性判定が得られ、重症化する前の段階でA群溶連菌による劇症型壊死性筋膜炎の早期診断に至った。
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