発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004274712
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クロストリジウム性ガス壊疽,非クロストリジウム性ガス壊疽,劇症型A群β溶連菌感染症の概念・病態,臨床症状・診断のポイント,治療について述べ,自験例(症例1:53歳男,症例2:75歳男)を紹介した.症例1は未治療糖尿病で,左上肢は悪臭を放ち,左手背と前腕背側に皮膚壊死部を認めた.X線,CTで皮下・筋内にガス像を認め,緊急手術で左上腕切断術を施行した.術前よりイミペナム/シラスタチンナトリウムを開始し,起因菌はKlebsiella,大腸菌であった.術後感染症併発はなく,術創は治癒した.症例2は左大腿部内側の腫脹があり,戦時中の被弾破片残存が判明した.摘出術を予定したが,局所症状の急速な増悪,CRP強陽性,腎不全状態より壊死性筋膜炎を疑い,緊急皮膚切開術を施行した.皮下病巣周囲の死腔形成と筋膜の広範な壊死を認め,デブリドマンを施行した後,創は開放した.創培養でA群β溶連菌が検出された.術後局所症状,全身状態は改善し,第15,47病日にデブリドマン,植皮術を追加して第94病日に完全治癒で独歩退院した
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