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左腋窩に生じた巨大基底細胞癌の1例
塚原 理恵子
1
,
若旅 功二
,
山田 朋子
,
小宮根 真弓
,
村田 哲
,
出光 俊郎
,
大槻 マミ太郎
1自治医科大学附属さいたま医療センター 皮膚科
キーワード:
腋窩
,
基底細胞腫
,
X線CT
,
皮膚移植
,
皮膚腫瘍
Keyword:
Carcinoma, Basal Cell
,
Axilla
,
Skin Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Skin Transplantation
pp.1198-1199
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016319273
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56歳男。受診の約3年前、左腋窩に母指頭大の結節が出現し、1年前には手挙大まで増大した。約3ヵ月前に結節の一部が潰瘍化し、軽度の出血を認めるようになった。初診時、結節は8.0×6.5cm大でドーム状に隆起しており、結節の胸側は深く大きく潰瘍化し、黒色の小結節からなる周堤を形成していた。結節の背側は硬く充実性で、表面に大小さまざまな小結節が多発融合し、顆粒状ないし桑実状を呈していた。これらの病変は4つの部分に大別することができ、内訳は、1)胸腹側黒色小結節からなる周堤部、2)背側淡紅色透明な小結節が融合する部分、3)中央部の白色調部分、4)胸側潰瘍部であり、各々の組織像は、1)が充実型の基底細胞癌(BCC)、2)が嚢腫型のBCC、3)がモルフェア型のBCC、4)が腺様型のBCCであった。治療は、腫瘍の辺縁から1~2cmのマージンをとり大胸筋の深さまでの腫瘍切除術を行い、術後3年の現在まで再発・転移は認めていない。
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