発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302236
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26歳男.魚を扱う仕事に従事し,趣味で熱帯魚を飼育していた.仕事中に魚の骨が左示指基節部背側に刺さり,2週後,軽度の圧痛,しびれ感を伴った皮疹が出現し,3ヵ月後誘因なく左手背に皮下腫瘤が2個出現した.初診時所見,MRI所見より,皮膚非定型抗酸菌症を疑い手術を行った.示指基節部及び近位側の皮下腫瘤は皮膚ごと一塊にして切除し,遠位側の皮下腫瘤は皮膚は温存し腫瘤のみを一塊に切除した.Ziehl-Neelsen染色で抗酸菌の菌体を認め,DNA-DNA hybridization法の結果,M.marinumと同定された.術後,徐々に左中指中手指節(MP)関節部に腫瘤形成を認め,再発と判断して術後5週で同部位を皮膚ごと一塊にして切除した.切除切片の検査では異常所見は認めなかった.再手術後は創癒合が得られ,手背の軽度のつっぱり感は残存するが,再発はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006