特集 脊椎内視鏡下手術の適応と限界
腰椎部脊椎内視鏡下手術の適応と限界 MED 腰椎疾患に対する内視鏡下手術 その適応と限界
中川 幸洋
1
1和歌山県立医科大学 整形外科
キーワード:
鉗子
,
機器のデザイン
,
MRI
,
脊柱管狭窄
,
脊椎疾患
,
X線CT
,
椎間板ヘルニア
,
内視鏡法
,
嚢胞
,
腰椎
,
外科的減圧
,
椎間板切除
,
椎間関節
,
開創器
,
脊椎終板
,
椎間孔
Keyword:
Cysts
,
Endoscopy
,
Equipment Design
,
Lumbar Vertebrae
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Spinal Diseases
,
Spinal Stenosis
,
Diskectomy
,
Zygapophyseal Joint
,
Decompression, Surgical
pp.717-725
発行日 2017年7月19日
Published Date 2017/7/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017317810
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はじめに
1997年に,FoleyとSmith1)により最小侵襲脊椎手 術(minimally invasive spine surgery;MISS)の先駆 けとして内視鏡下椎間板切除術(microendoscopic discectomy;MED法)(図1)が米国から報告されて 以来,20年が経過した。その間,わが国では日本 整形外科学会をはじめとする技術講習会や技術認 定医制度の確立もあり,MED法は腰椎椎間板ヘル ニアの低侵襲手術として着実に浸透し,なおその 普及が図られているところである。 一方,本場米国においては,MED法はそれほど 普及するには至っていない。また,MEDシステム を腰部脊柱管狭窄症や頚椎神経根症に用いたとい う報告2)〜5)もされてはいるが,一般化するには至っ ていない。理由としては,本手術手技が険しい learning curveの克服を要すること,また初期に使 用された内視鏡はdisposableで画質のクオリティが 著しく低く,安全な手術の遂行には適当ではなかっ たことなどの理由が挙げられる。 しかし,円筒レトラクターと硬性斜視鏡を用い た本手術手技は,これが自在に使いこなせること ができれば数々の利点のある手術法であり,わが 国では数々の改良を加え,まさに独自の進化を遂 げたといってよい。本稿ではMED法の解説,お よび腰椎疾患への適応拡大とその限界について解 説を行う。
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