特集 脊椎内視鏡下手術の適応と限界
頸椎部脊椎内視鏡下手術の適応と限界 頸椎疾患に対する内視鏡下手術 その適応と限界
南出 晃人
1
1和歌山県立医科大学 整形外科学教室
キーワード:
質問紙法
,
頸椎
,
MRI
,
神経根症
,
生活の質
,
脊椎固定術
,
脊椎疾患
,
X線CT
,
椎間板ヘルニア
,
疼痛測定
,
内視鏡法
,
外科的減圧
,
治療成績
,
頸椎症性脊髄症
,
視覚アナログ尺度
,
椎間孔拡大術
,
SF-36
,
アラインメント
Keyword:
Cervical Vertebrae
,
Endoscopy
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pain Measurement
,
Quality of Life
,
Radiculopathy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Spinal Diseases
,
Spinal Fusion
,
Treatment Outcome
,
Decompression, Surgical
,
Foraminotomy
,
Visual Analog Scale
pp.697-703
発行日 2017年7月19日
Published Date 2017/7/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017317807
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はじめに
頚椎疾患に対する後方からの手術成績は,長期 予後とともに安定している一方で1)〜4),①周囲の 筋組織などの軟部組織損傷,②筋・靱帯付着部な どの問題による後頚部痛,③肩凝りなどの頚部軸 性疼痛,④頚椎可動域(range of motion;ROM) 制限などが報告されている5)〜8)。そこで,できる だけ後方の軟部組織,靱帯付着部などを温存する 手術法が数多く考案されており9)〜11),頚椎内視鏡 下後方除圧術(cervical microendoscopic laminotomy; CMEL),頚椎内視鏡下椎間孔拡大術(cervical microendoscopic foraminotomy;CMEF)もその1 つである12)〜14)。 脊椎内視鏡下手術は,顕微鏡下手術の安全性と 内視鏡独特の視野と経皮侵入による低侵襲を併せ もった術式である。その特徴は,手術視点が脊柱 管内にあり,斜視鏡からの視野特性により,末広 がりの視野の獲得が可能となり,神経組織の圧迫 に関与しない点,筋・靱帯・椎間関節などの組織 をできる限り温存することができる点である。こ れらの点から頚椎への応用は,できるだけ棘突起 列,棘上・棘間靱帯などの支持組織を含む後方の 軟部組織を温存することが可能であり,頚部愁訴 (軸性疼痛),頚椎ROM制限,頚椎アライメント への影響の少ない術式といえる15)。 本稿では,頚椎疾患に対するCMEL・CMEFの 利点,特徴,手術成績から,その有用性を検証し, その適応と限界について述べる。
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