運動器疾患に対する最小侵襲手術
骨折手術 関節・近傍骨折 手指骨折に対してサファイアピンを用いた最小侵襲手術と早期可動域訓練
石突 正文
1
,
白坂 律郎
,
佐藤 哲也
,
青山 広道
1茨城県厚生農業協同組合連合会総合病院土浦協同病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
骨折
,
手指外傷
,
最小侵襲手術
,
治療成績
Keyword:
Finger Injuries
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Fractures, Bone
pp.163-167
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225835
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手指骨折に対してサファイアピンを用いた最小侵襲手術の手技と後療法を紹介し、臨床成績を報告した。上肢の骨折にサファイアピンを用いた32例のうち、手指の骨折に用いたのは20例で、全例に骨癒合を認めた。そのうち小侵襲手技を用いたのは9例(男8例・女1例・9~42歳)であった。骨折部位は中節骨頸部5例、基節骨頸部1例、第5中手骨頸部2例、基節骨骨幹部1例であった。術後早期可動域(ROM)訓練によりROM制限もほとんどなく、全例に骨癒合を認めた。症例1:11歳男。突き指による右示指中節骨頸部骨折に対し、指骨針で経皮的に整復し、サファイアピンで固定した。術後2日より指の自動屈伸を指導したところ、術後4週でROMはほぼもとに戻り、骨癒合も得られた。症例2:33歳男。柱にぶつけた右第5中手骨頸部骨折に対し、徒手整復後サファイアピンで固定した。術後早期にROM訓練を開始し、術後6ヵ月で小指中手指節関節のROMは伸展10°、屈曲70°であった。症例7:13歳男。右環指中節骨頸部骨折に対し徒手整復後サファイアピンで固定したが、骨片が掌側に転位突出した。そのままROM訓練を開始し、1年2ヵ月後にX線像で骨片は吸収され、DIP関節の屈曲に制限はあるものの日常生活に不自由はなかった。
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