運動器疾患に対する最小侵襲手術
骨折手術 関節・近傍骨折 ボクサー骨折に対しKirschner鋼線1本のみを用いたintrafocal pinningによる低侵襲固定法
金 潤壽
1
,
富田 泰次
,
根本 高幸
1太田総合病院 手外科センター
キーワード:
骨折
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
中手指節関節
,
最小侵襲手術
,
手根中手関節
,
脱臼骨折
,
Bennett骨折
,
指ブロック
Keyword:
Fracture Dislocation
,
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Internal
,
Metacarpophalangeal Joint
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Fractures, Bone
,
Carpometacarpal Joints
pp.168-171
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225836
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ボクサー骨折に対しKirschner鋼線(K-wire)1本のみを用いたintrafocal pinningを行う低侵襲固定法について、その適応と手技、後療法を紹介し、同法施行27例27指(男26例・女1例・平均30歳)の成績を報告した。骨折部位は第5中手骨23例、第2中手骨3例、第4中手骨1例であった。経過観察期間平均12.8週で、術後総自動運動域(TAM)は平均246.5°であった。American Society for Surgery of the Hand Report(ASSH)のTAMによる臨床評価ではexcellentが24例、goodが3例であった。握力は健側の約86.4%であり、疼痛は軽度の痛みを訴える1例以外は認めなかった。合併症としてK-wireの脱転を1例に認めたが、本法による再手術で後遺障害なく治癒した。X線学的所見で26例は変形なく骨癒合し、1例に13°の掌屈変形を認め、術中での整復不良が原因と考えられた。骨癒合は平均4週で得られ、K-wireはそれに合わせて外来で抜去した。症例:26歳男。テーブルの殴打による右第5中手骨頸部骨折に対し、本法を行った。術後4ヵ月で疼痛なく、TAM258°、ASSH excellent、握力は健側の106.3%で、変形治癒は見られなかった。
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