骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その2)
手術支援・最新の取り組み◆5.超音波による骨折治療 指節骨難治性骨折に対する低出力超音波骨折治療の有効性
太田 剛
1
,
大沼 円
,
若林 良明
,
二村 昭元
,
石突 正文
,
大川 淳
1済生会川口総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
変形性関節症
,
骨折-開放
,
骨折-非癒合性
,
手指関節
,
手指外傷
,
超音波療法
,
骨折治癒
,
治療成績
,
指節骨骨折
Keyword:
Finger Injuries
,
Finger Joint
,
Fractures, Open
,
Fractures, Ununited
,
Osteoarthritis
,
Radiography
,
Ultrasonic Therapy
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Fracture Healing
pp.137-140
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017257823
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受傷後2ヵ月以上経過しても骨癒合傾向がみられない指節骨骨折に対してLIPUS治療を行った19例の成績を報告した。受傷部位の内訳は末節骨16例、中節骨1例、基節骨2例、受傷形態は開放骨折4例、閉鎖骨折15例であった。LIPUS治療期間は2~12ヵ月、経過観察期間は3~15ヵ月で、骨癒合は17例(89%)で得られ、癒合した患者ではいずれも圧痛・運動時痛などの愁訴が消失した。骨癒合が得られなかった2例中、1例は陳旧性槌指で最終観察時に圧痛・運動時痛などの愁訴は消失していたが、DIP関節の変形性関節症変化を認め、骨癒合不良の要因として骨片間の間隙(gap)が他の症例より大きかったことが考えられた。もう1例は末節骨開放骨折で、最終観察時も軽度の圧痛が残存し、骨片間gapは他の症例と大差なく、癒合不良の原因は不明であった。代表例として骨癒合が得られた2例を提示した。
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