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橈骨遠位端骨折に対しminimally invasive plate osteosynthesis(MIPO)法によるプレート固定を行った25例(男6例・女19例・平均63.3歳)の成績を報告した。骨折型はAO分類A-2が1例、A-3が8例、C-1が3例、C-2が13例で、合併損傷は尺骨茎状突起骨折8例、尺骨遠位端骨折1例であった。経過観察期間5~22ヵ月で、日本手の外科学会手関節機能評価基準(JSSH)はexcellent 21例、good 4例と良好であった。21例に実施したdisabilities of the arm,shoulder and handスコアは0~67.6、平均7.2で、成績不良の1例は大腿骨頸部骨折も伴い日常生活動作が低下していた。画像評価は、volar tiltが平均9.2°、ulnar inclinationが20.9°、ulnar varianceが-0.6mmであった。合併症として正中神経麻痺、腱断裂はなく、5例に長母指屈筋の一時的な筋力低下を認めた。スクリューの弛みは1例に生じ、抜釘を行った。他に複合性局所疼痛症候群症状を1例に認めた。症例1:75歳女。転倒により受傷し、手術を施行した。術後22ヵ月で整復位の破綻なく矯正損失も認めなかった。手関節・前腕可動域(ROM)は良好で握力も健側比79%まで回復し、JSSHはexcellentで、整容面でも良好であった。症例2:46歳男。転倒により受傷し、手術を施行し、MIPOで骨接合を行った。術後8ヵ月で骨癒合が得られ、抜釘を行った。手関節・前腕ROMに左右差はなく、軽度の肩痛があったが、JSSHはexcellentで、創瘢痕も目立たず良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011