創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
上肢(手)疾患に対する適応と成績 上腕骨骨幹部骨折に対する創外固定法の有用性
佐藤 栄一
1
,
萩野 哲男
,
前川 慎吾
,
佐藤 信隆
,
山下 隆
,
浜田 良機
1山梨大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
外固定器
,
交通事故
,
骨折-開放
,
骨折固定法
,
骨ネイル
,
骨ねじ
,
骨板
,
上腕骨骨折
,
骨折治癒
,
治療成績
,
骨折-多発性
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Fractures, Multiple
,
Bone Nails
,
Bone Plates
,
Bone Screws
,
Fracture Fixation
,
Fractures, Open
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Treatment Outcome
,
External Fixators
,
Fracture Healing
pp.179-183
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181724
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
創外固定法により治療した上腕骨骨幹部骨折60例62骨折(男37例・女23例・平均36.2歳)の成績を報告した。開放骨折は18例、多発骨折は28例で、部位は近位部5骨折、中央部41骨折、遠位部16骨折であった。創外固定法のみで一期的に骨癒合を得たのは56骨折で、骨癒合までの期間は平均19.8週であったが、開放性のため遷延した4例を除くと17.4週であった。一期的骨癒合がなかったのは、楔状の大きな第3骨片があり良好な整復位が得られなかった3骨折と、高度軟部組織挫滅を伴ったGustilo分類type IIIの3骨折であった。これらには骨移植を追加し、プレート固定4骨折、創外固定法2骨折、スクリュー固定1骨折を行い、受傷後9~22ヵ月で骨癒合を得た。合併症は、1例にピン刺入部からの滲出液漏出を認めたが、創処置および抗生物質投与で治癒した。また、1例に橈骨神経不全麻痺を認めたが、術後6ヵ月で治癒した。創外固定器抜去後の再骨折はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009