発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011288564
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43歳男。交通事故後の難治性右下腿感染創の消毒加療中、バイク乗車中に転倒・受傷して近医救急搬送された。右下腿に挫創、右大腿骨骨幹部に開放創(Gustilo分類type II)を認め、X線では右大腿骨複雑骨折(頸部・骨幹部・顆上部、Gustilo分類type IV)を認めた。開放創の洗浄・デブリドマン、骨幹部から脛骨までの創外固定、頸部骨折の整復・内固定術を施行され、受傷3日後に当院転院となった。右下腿内側皮下に瘻孔を伴う広範囲の慢性感染創があり、培養で緑膿菌が検出されたため、洗浄とデブリドマンを繰り返した。受傷後11日に骨折部整復位の改善、創外固定の入れ替え、ピンニングの追加を行い、受傷後19日に大腿内側部の分層植皮を施行し、受傷後26日に最終的な内固定術として逆行性髄内釘を施行した。以後感染徴候はなく経過は良好で、受傷後3ヵ月のX線で骨癒合を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011