創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
上肢(手)疾患に対する適応と成績 橈側刺入型ノンブリッジング創外固定器を利用した橈骨遠位端変形治癒骨折の治療
戸部 正博
1
,
水谷 一裕
,
原田 孝
1東邦大学 整形外科学第2講座
キーワード:
X線診断
,
外固定器
,
関節可動域
,
骨移植
,
骨切り術
,
骨折固定法
,
術後合併症
,
神経系疾患
,
腸骨
,
橈骨
,
変形治癒骨折
Keyword:
Ilium
,
Fracture Fixation
,
Nervous System Diseases
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Radius
,
Bone Transplantation
,
Range of Motion, Articular
,
External Fixators
,
Fractures, Malunited
pp.184-189
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181725
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橈骨遠位端骨折変形治癒に対して橈側刺入型ノンブリッジング創外固定器による矯正骨切り術を行った7例7手(男2例・女5例・平均53歳)の成績を報告した。受傷から手術までの期間は2ヵ月~5年で、全例に腸骨からの骨移植による楔開き骨切り術を行った。使用した創外固定器はCompack 4手、F-Wrist 3手で、Sauve-Kapandji法を1手に追加した。術後経過観察期間1年6ヵ月~5年で、Cooneyのwrist scoreによる臨床評価点は術前平均65.7点から84.3点に改善した。関節可動域は、背屈平均57.1°が68.6°、掌屈37.1°が48.3°、回内57.9°が82.9°、回外61.4°が80.7°となった。握力は対健側比で平均55.7%から76.4%に改善した。X線評価では、volar tiltが術前平均-25.9°から術後5.7°、ulnar varianceが4.3mmから0.4mmに改善した。合併症は一過性の橈骨神経浅枝障害を2例に認め、5mmのulnar varianceの矯正を行った1例で手指の拘縮を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009