創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
新鮮骨折に対する適応と成績 Ilizarov創外固定器が有用であった両側脛骨天蓋粉砕骨折の1治験例
久保田 元也
1
,
加藤 義治
,
島本 周治
,
河野 稔文
1東京女子医科大学 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
脛骨骨折
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
X線CT
,
Ilizarov法
,
骨折-粉砕
Keyword:
Bone Wires
,
Fracture Fixation, Internal
,
Tibial Fractures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Ilizarov Technique
,
Fractures, Comminuted
pp.110-115
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181714
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42歳男。大型テレビを運搬中、両下腿にテレビが落下して受傷した。X線で両側脛骨天蓋骨折と腓骨遠位端骨折があり、下腿内反変形と足関節面の粉砕を認め、CTでは脛骨遠位部から関節面にかけての粉砕がより明瞭で、Rueedi分類type IIIと診断した。両側踵骨より直達牽引を行い、受傷4日後に両側Ilizarov創外固定器を使用した閉鎖性整復固定術を施行した。固定は脛骨遠位部1/3に安定用リングを装着し、3本のワイヤーで粉砕骨折部を固定してフルリングを骨折部とその近位に装着した。また、整復した天蓋部への圧迫力軽減のため、足関節に牽引力をかけながらフットリングで固定し、さらに足関節を良肢位で固定した。術後3日より立位歩行訓練を開始し、24週ですべての固定を除去した。術後3.5年経過現在、骨癒合は完成し、足関節の適合性と下腿全体のアライメントは良好である。BurwellらのX線評価基準では左右ともanatomicalで、自覚的・他覚的評価はいずれもgoodであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009