創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
各種創外固定法の特徴 Ilizarov Definitive fixationとしてのIlizarov創外固定器の有用性
大野 一幸
1
,
小橋 潤己
,
行方 雅人
,
世古 宗仁
,
篠田 経博
,
樋口 周久
1大阪船員保険病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
脛骨骨折
,
骨折-開放
,
Ilizarov法
,
骨折治癒
Keyword:
Fractures, Open
,
Radiography
,
Tibial Fractures
,
Range of Motion, Articular
,
Fracture Healing
,
Ilizarov Technique
pp.57-60
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181710
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開放骨折17例のうち、Ilizarov創外固定器によるdefinitive fixationで加療した4例(男2例・女2例・平均45歳)の成績を報告した。全例脛骨の開放骨折、骨幹部と骨幹端の粉砕骨折で、Gustilo分類type IIが1例、IIIが3例であった。4例中3例は三次救急処置後の紹介入院で、Orthofix創外固定器装着の1例は開放骨折部にMRSA感染が生じていたため、Ilizarov創外固定器でbone transportを行った。Hoffmann II創外固定器の2例は関節を越える固定であり、抜去してIlizarov創外固定器に変更した。当院初療の1例は洗浄・掻爬後、Ilizarov創外固定器を装着した。全例で経過中刺入部感染が生じたが、創処置と抗生物質内服で治癒し、深部感染は認めなかった。創外固定装着期間は94~360日、観察期間206~1061日で、全例骨治癒が得られた。Bone transport例で足関節の背屈制限を残したが、他の3例は可動域制限なく独歩可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009