関節周辺骨折 最近の診断・治療
肘関節 粉砕型尺骨近位端部骨折の治療
関口 昌之
1
,
勝呂 徹
,
土谷 一晃
,
宮崎 芳安
,
奥秋 保
,
大日方 嘉行
,
川上 裕史
,
齋藤 宗樹
1東邦大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
外固定器
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
尺骨骨折
,
肘関節
,
骨折-粉砕
,
治療成績
Keyword:
Bone Wires
,
Elbow Joint
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Ulna Fractures
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
External Fixators
,
Fractures, Comminuted
pp.38-42
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044633
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粉砕型尺骨近位端骨折17例(男11例・女6例・平均43.1歳)の成績を報告した。骨折型はColton分類group 2-dが7例、group 4が10例で、腕橈関節の脱臼を7例に認め、うち3例はMason-Morrey分類type IIIの橈骨頭・頸部骨折を合併していた。初回手術は引き寄せ鋼線締結(TBW)法が15例(Kirschner鋼線+軟鋼線7例・ケーブルスクリュー固定4例・リングピン固定4例)で、他の2例はプレート固定を行った。6例には一期的に自家腸骨移植を行い、3例では二期的に行った。経過観察期間25~57ヵ月で、JOAスコアは平均87.8点、内訳は疼痛28.3点、機能19.8点、可動域(ROM)20点、関節動揺性9.7点、変形10点であった。橈骨頭の脱臼や骨折を合併した例ではJOAスコアが低く、疼痛およびROMの項目で主に減点されており、特に橈骨頭・頸部骨折合併例では橈骨頭・頸部周囲に異所性骨化を認めた例もあり回旋ROMの点数が低かった。橈尺骨間が骨癒合するcross unionはなかった。
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