臨床室
高齢者の粉砕型脛骨プラトー骨折に対して一期的人工膝関節全置換術を施行した2例
村山 敦彦
1
,
渡邉 健太郎
,
水野 直樹
,
熊谷 寛明
1名古屋掖済会病院 整形外科・リウマチ科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
関節リウマチ
,
脛骨骨折
,
骨切り術
,
膝関節
,
X線CT
,
骨折-粉砕
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
MPR (Multiplanar Reconstruction)
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Knee Joint
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Tibial Fractures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Fractures, Comminuted
,
Osteoarthritis, Knee
pp.647-650
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015335340
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症例1(86歳女性)。50cmほどの高さから転落して受傷、骨折型は左脛骨プラトー骨折のOA分類41-C3、Schatzker分類type Vであり、腓骨近位端骨折を合併していた。CT-MPR像では脛骨近位の粉砕が高度で変形性膝関節症による膝関節痛を伴った高齢者であり、一期的人工膝関節全置換術(TKA)を選択した。受傷後10日目にTKAを施行、インプラントはNexGen LPSを使用し比較的破壊の少ない内側関節面を修復して吸収性体内固定用ねじで固定、この面を基準に髄内ガイドを用いて骨切りし、骨欠損部の補填目的で内側に26°のハーフエッジと外側に5mmのハーフブロックを使用した。その結果、術翌日より可動域訓練を開始、術後4週より部分荷重を許可し、術後4ヵ月で歩行時の左膝関節痛は消失し、JOAスコアは80点であった。症例2(75歳女性)。階段から転落し受傷、骨折型は左脛骨プラトー骨折のOA分類41-C1、Schatzker分類type Vであり、腓骨近位端骨折を合併していた。CT-MPR像で大きな骨欠損を認めたほか、高齢で骨質不良であることから一期的TKAを選択し、受傷後11日目に症例1と同様にNexGen LPSによるTKAを施行した。その結果、術翌日より可動域訓練を開始、術後4週より部分荷重を許可し、術後1年で歩行時の左膝関節痛は認めず、JOAスコアは75点であった。
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