上肢の外科 最近の進歩
手関節・手疾患の治療 橈骨遠位端骨折の手術適応と治療法 掌側ロッキングプレートによる橈骨遠位端骨折の治療 方形回内筋温存療法に対する前向き研究
戸部 正博
1
,
水谷 一裕
,
原田 孝
1東邦大学 整形外科第2講座
キーワード:
X線診断
,
回内運動
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
橈骨骨折
,
前向き研究
,
治療成績
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Pronation
,
Prospective Studies
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.164-167
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009019969
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橈骨遠位端骨折に対して、方形回内筋を温存する掌側ロッキングプレート法を行った52例(以下;温存群)と、方形回内筋を切離・縫合する一般的な掌側ロッキングプレート法を行った50例(切離・縫合群)の治療成績を比較検討した。その結果、術後6ヵ月時のMayo wristスコアは温存群がexcellent 44例、good 8例、切離・縫合群がexcellent 40例、good 8例、poor 2例で、有意な群間差はなかった。VASスコアの経時的変化は温存群が術後1週時5.1点、3週時0.7点、3ヵ月時0.2点、6ヵ月時0.1点、切離・縫合群が術後1週時7.4点、3週時2.3点、3ヵ月時0.4点、6ヵ月時0.1点で、術後3週までは温存群のほうが有意に良好であった。術後のROMは[背屈]と[掌屈]には有意な群間差なく、[回内][回外]は温存群が有意に良好であった。日常生活への復帰時期は温存群が術後1~6週(平均2.9週)、切離・縫合群が術後4~10週(平均5.8週)であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008