発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009159677
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2006年10月~2007年10月に橈骨遠位端骨折26症例(男性12例、女性14例、20~79歳・平均54.0歳)に対して掌側ロッキングプレートを用いる際の手術のポイントやプレート抜去の際の留意点について検討した。対象のAO分類による骨折型はA2:11例・A3:9例・C1:2例・C2:4例で、追跡期間は平均213.3(105~432)日であった。その結果、全例で骨癒合が得られ、経時的なX線計測ではradial tilt、volar tilt、radial length共に矯正損失は殆ど認めなかった。臨床成績はCooneyらの評価法でexcellent:9例・good:10例・fair:7例、Gartlandらの評価法ではexcellent:22例・good:3例・fair:1例であった。以上の結果から手関節ROMや、Cooneyら・Gartlandらの評価では臨床成績に有意差を認めなかったが、掌側バットレスプレートと髄内弾性固定の併用法よりもロッキングプレートを用いた治療の方が、volar tiltや、特にradial lengthにおいて矯正損失が有意に少なかった。以上よりロッキングプレートはangular stabilityに優れていると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009