高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う上肢の骨折 橈骨遠位端 高齢者の橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレートによる治療
長田 伝重
1
,
亀井 秀造
,
玉井 和哉
,
高井 盛光
,
益崎 浩一郎
,
富沢 一生
,
亀田 正裕
,
野原 裕
1獨協医科大学 整形外科
キーワード:
X線透視検査
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
手関節
,
橈骨骨折
Keyword:
Bone Plates
,
Fluoroscopy
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radius Fractures
,
Wrist Joint
,
Range of Motion, Articular
pp.53-58
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055145
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橈骨遠位端骨折では高齢者でも徒手整復で整復位が得られない症例や、徒手整復後の外固定中の再転位例については、積極的に骨折部を整復し、強固な内固定を行ない、直ちに手関節のROM訓練を行なうことが重要と考えられ、固定性に優れたDRV locking plateを用いてきた。そこで、著者らは2003年から現在まで65歳以上の不安定型橈骨遠位端骨折に対し手術治療を行ない、6ヵ月以上経過観察できた40例(平均年齢73歳)を対象に、その治療成績を検討した。1)平均観察期間は12ヵ月で、骨粗鬆症例でも骨移植の必要はなく、外固定を必要としたのは2例であった。2)骨癒合は平均34日で全例に得られ、術後は直ちに手関節のROM訓練が可能であった。3)合併症として長母指伸筋腱損傷が1例に認められたが、術後は早期に手関節の機能が回復したため、日常生活で患側手をよく使用していた。4)最終調査時には、従来の治療法よりも良好な成績が得られた。
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