発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013353837
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34歳女。歩行中に転倒し、右手で接地して受傷した。右手関節部の痛みと変形を認めた。X線像上、右橈骨遠位端骨折および尺骨茎状突起骨折を認めた。受傷後11日で全身麻酔下に観血的整復内固定術を施行した。掌側アプローチで施行した。手根屈筋腱鞘橈側の前腕筋膜を切開後、長母指屈筋を尺側によけて方形回内筋を展開した。尺骨茎状突起骨折に対しては、0.5mm軟鋼線による8字締結法を施行した。術後は母指のしびれを軽度訴えるのみで、1週間で退院した。術直後から手関節可動域訓練は制限なく施行した。遠位橈尺関節(DRUJ)の尺背側に発赤・腫脹と痛みを認めた。術後5週で回外0°と制限があり、DRUJ周囲に強い回外時痛を認めた。術後26週でも回外制限、回外時痛は改善しなかった。術後約7ヵ月で全身麻酔下に手術を施行した。1年6ヵ月の時点ではときおり軽度の痛みがある程度で日常生活および仕事にも支障なく終診となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013