高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う上肢の骨折 橈骨遠位端 高齢者の橈骨遠位端骨折に対するロッキングプレート固定の治療成績
森下 公俊
1
,
澤口 毅
,
増山 茂
,
長浦 恭行
,
澤村 英一郎
,
重本 顕示
,
小川 泰弘
1市立輪島病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
橈骨骨折
,
治療成績
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.66-70
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055147
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2003~2006年にロッキングプレートを用いて骨接合を行なった65歳以上の橈骨遠位端骨折症例22例(平均年齢74.6歳)を対象に治療成績を検討した。1)最終観察時の矯正損失はごくわずかであった。AO分類C3骨折の5症例も矯正損失はなく、全例で骨癒合が得られた。2)最終観察時、Mayo wrist scoreはexcellent 16例、good 6例、DASHスコアは平均7.1であった。両スコアの改善は、握力の回復によるポイントが大きかった。3)AO分類C3骨折の4例で掌側プレートに橈側用あるいは背側用プレートを追加することで良好な固定が可能であった。4)橈骨遠位端骨折の多くの症例は掌側プレート単独で整復位が可能であったが、関節内骨折、特に関節内多骨片骨折であるAO分類C3骨折に関しては、術前にテンプレートを用いて使用する内固定材を慎重に選択する必要があると考えられた。5)強固な内固定を行なうことで、高齢者でも早期のリハビリテーションが可能となり、ADLの早期回復も可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007