整形外科office-based surgery-1人でできるテクニック
肩、肘、手関節 橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレートの工夫
松本 泰一
1
,
松下 睦
,
塩出 速雄
,
柿木 良介
,
中村 孝志
1倉敷中央病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
内固定法
,
骨板
,
橈骨骨折
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radius Fractures
,
Range of Motion, Articular
pp.73-78
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2007181330
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橈骨遠位端骨折に対してロッキングプレートを使用してプレート観血的骨接合術を施行した17例を対象に、術後のROMおよび握力と共にX線学的指標としてvolar tilt、橈骨遠位端尺側傾斜、ulnar varianceを評価した。手術においては、チャイニーズフィンガートラップを用いて4kgで牽引しある程度整復する、手用のホーマン鉤、distal first techniqueを用いる、などの工夫行なった。患者の年齢は平均63.3歳で、経過観察機関は平均4.8ヵ月であった。握力は健側比で65.9%まで回復した。患肢ROMの平均は背屈、掌屈が各々60.3度、56.6度であり、回外、回内は各々平均77.5度、78.5度であった。また、X線学的評価はvolar tiltが術前-18.4度から術後8.4度に、橈骨遠位端尺側傾斜が術前13.5度から術後20.5度に、ulnar varianceが術前3.6mmから術後0.5mmと改善した。ロッキングプレートの使用は、脆弱な高齢者の橈骨遠位端骨折に対して非常に有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007