変形性関節症 最近の知識
変形性関節症の臨床 下肢の新しい人工関節の開発 日本人変形性股関節症に対するセメントレス大腿骨ステムの開発 HPFステムの中期成績
中村 吉秀
1
,
三井 博正
,
菊池 明
,
藤 哲
1弘前大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
大腿骨頭壊死
,
変形性股関節症
,
治療成績
,
股関節置換術
,
セメントレス人工関節
Keyword:
Femur Head Necrosis
,
Radiography
,
Osteoarthritis, Hip
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.142-147
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008207272
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当科で開発した日本人変形性股関節症(股OA)に対するセメントレス大腿骨ステム(HPFステム)の中期臨床成績について報告した。股OA 25関節、大腿骨頭壊死3関節にHPFステムを使用し、術後経過観察期間は平均8年4ヵ月であった。その結果、JOAスコア(日整会股関節機能判定規準)は術前45.1点から調査時92.7点に改善した。疼痛、可動域、歩行能力、日常生活動作の全項目で改善を認め、特に疼痛点は術前14.2点から調査時38.5点へ著明な改善を認めた。経過中の大腿部痛は3関節(10.7%)に認めたが、いずれも軽度であり、3年以内に消失した。X線評価では、最終調査時にunstableと判定された症例はなく、25関節(89.3%)がbone ingrown fixation、3関節(10.7%)がstable fibrous fixationと判定された。1関節(3.6%)にGruen分類zone2~6に及ぶ放射線透過性線像を認めたが、ステムの移動はなくstable fibrousと判定した。明らかな骨溶解を認める症例はなく、ステムの固定性も良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008