変形性関節症 最近の知識
変形性関節症の臨床 下肢の新しい人工関節の開発 人工股関節全置換術におけるプレスフィット寛骨臼カップの術中固定力測定の試み
内藤 聖人
1
,
諸橋 達
,
神田 章男
,
最上 敦彦
,
岩瀬 秀明
,
金子 和夫
1順天堂大学医学部附属静岡病院 整形外科
キーワード:
生体力学的現象
,
寛骨臼
,
変形性股関節症
,
股関節置換術
,
ソケット(人工器官と補綴物)
Keyword:
Acetabulum
,
Biomechanical Phenomena
,
Osteoarthritis, Hip
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.148-152
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008207273
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セメントレス人工股関節全置換術におけるプレスフィット寛骨臼カップ(PFAC)の固定に関して、骨モデルを用いた生体力学的固定実験とその結果を臨床応用し、術中にPFACの固定を評価した。力学的固定実験では、プレスフィット固定の場合、初期固定性を得るためには1~2mmアンダーリーミングが妥当であると考えられた。人工股関節における金属性骨頭とポリエチレン樹脂製ライナーとの間で生じる回旋トルク値Tは骨頭半径をR、摩擦係数をf、荷重をLとすると、T=R×f×Lで求められ、0.66~13.4 Nmと計算された。これを用い、患者それぞれの体重による基準トルク値を求め、術中の回旋トルク値の指標としたところ、16例中15例は基準トルク値に近い回旋トルク値が得られ、術後経過も満足すべき結果であった。以上より、術中回旋トルク値測定は、PFAC初期固定の評価方法として有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008