発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009068021
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近位固定型ショートステムを用いたセメントレス人工股関節全置換術116例124関節(男9例、女107例、平均年齢62歳)の短期成績を検討し、その安全性を検証した。日整会股関節機能判定基準は術前平均44点から最終調査時(術後平均28ヵ月)平均89点と改善し、96.7%のステムは術後移動を認めずbone ingrowth fixationが得られた。合併症として術中大転子骨折によるセメントステムへの転換を0.8%、大腿骨近位部亀裂骨折2.4%、ステムの移動および沈下を4.0%に認め、大腿骨近位部亀裂骨折やステムの移動例の多くは近位部での高い髄腔占拠率や内反位挿入との関連が示唆された。本ステムの挿入には術前X線・CT・2次元および3次元テンプレートを用いた精密な術前計画による適切な髄腔占拠率とステムサイズの選択、およびアライメントや骨強度への配慮が不可欠である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008