発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010269569
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2004年7月~2007年3月に、セメントレス人工股関節全置換術(セメントレスTHA)を行い、希望日退院クリニカルパスを使用した118例128股中、静脈血栓塞栓症治療のため退院延期を指示した8例8股を除いた110例120股を対象に、患者の希望する在院期間に影響を与える因子について検討した。術後在院期間は14~62日(中央値22日)で広範囲であった。年齢は32~78歳(中央値59歳)、性別は男性25例29股、女性85例91股であった。BMIは16.2~38.2(中央値23.3)、術前JOAスコアは疼痛0~30点(中央値10点)、可動域(ROM)0~20点(中央値12点)、日常生活動作(ADL)0~20点(中央値13点)、歩行能力0~18点(中央値10点)、合計12~79点(中央値48.5点)であった。手術時間は49~180分(中央値80分)、術中出血量は93~2175ml(中央値335mlであった。術前因子と術後在院期間との関連を分析し、年齢と術後在院期間に正の相関を認めた。性別、BMI、術前JOAスコア合計点は術後在院期間と関連がみられなかった。ROMスコア、ADLスコア、歩行能力スコアは在院期間と負の相関がみられた。手術時間、術中出血量は術後在院期間と関連がなかった。年齢・ROM・ADL・歩行能力、4因子の影響をステップワイズ法で回帰分析した結果、年齢・ROM・ADLの3因子が有意であった。
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