発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013191382
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症例は76歳女性で、悪寒、右胸痛が出現し、更に歩行時呼吸困難を自覚し、近医で右胸水を指摘され当院紹介受診となった。胸部単純X線、CTで右側に胸水貯留と右中下葉の無気肺を認め、血液検査で炎症反応高値、アルブミン低値が認められた。左胸腔内に胸腔穿刺し、22Frのダブルルーメンのトロッカーカテーテルを中腋窩線第VIII肋間より挿入したところ、300mlの黄褐色の排液が認められた。排液は漸次減少し清浄化した。胸水からは塗抹・培養とも起炎菌は検出されず、細胞診も陰性であった。urokinase注入終了後、胸部単純X線像で右肺野の透過性の改善を認め、炎症反応も陰性化し、第18病日に退院となった。urokinase注入終了後24日目の胸部CTでは膿胸腔は消退していた。その後の問診、上部消化管造影で胸部下部食道に辺縁整、全周性の狭窄を認め、先天性食道狭窄症と診断し、今回は誤嚥性肺炎から膿胸にいたったと考えられた。
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